亀田徹のビジネスアイディアライブラリー 宅配ロッカー編-④
2021年8月3日ベンチャー企業の立ち上げを始め数多くの企業の経営に参画し、商品開発や事業開発に携わってきた亀田徹さんのビジネスアイディアライブラリー。宅配ロッカー編の第4回です。
宅配ロッカーでのビジネスを展開していた当時、当社はさながらマンションデベロッパーからの「お悩み相談室」となっていました。
平成6年(1994年)頃のこと。
とあるマンションデベロッパーに呼ばれてお聞きした相談は自転車の駐輪場でした。
一般にマンション新築時の駐輪場の設置可能台数は世帯数の概ね150%程度。
ところが入居して数年経つと家族も増えて自転車も増え、また子供が大きくなると子供用の自転車は利用されなくなり、いつしか駐輪場は溢れかえり、駐輪場でない場所にまで「不法設置」が多発するというお悩みでした。
そこで思いついたのが自転車を個人で所有するのではなくシェアするという考え。
毎日自転車を使用する人は自前の自転車を所有し、それ以外の人はマンション側で用意した自転車を利用するというサービスです。
基本的なアイデアは良かったのですが、ハードルとなったのがシェア自転車の利用管理でした。
自転車の鍵をどう管理するか?
管理人室で貸し出すという案もありましたが24時間の対応は不可能です。
捻り出したアイディアが、当時オフィス用の商品だった電動のカギ管理ボックスの活用でした。各世帯のIDカードで自転車のカギを管理するという方法で商品化しました。
マンションを分譲した時に世帯数の10-20%分の電動アシスト自転車を用意することでサービスを開始しました。
のちには宅配ロッカー内で自転車のバッテリーを充電するサービスも出てきました。
(この稿おわり)
34歳のとき、当時空調機メーカー開発部勤務から独立し、日本で初めての「宅配ロッカーでクリーニング受け渡し」事業でベンチャー企業を立ち上げる。
その後、日本初の様々な事業を立ち上げ、TV、新聞、雑誌などに取り上げられる。
現在は「TKコンサルティング」の代表として各企業の新規事業の立ち上げ、アイデア提供などを行っている。