亀田徹のビジネスアイディアライブラリー(第6回) ~ヘルメットのIoT~
2021年11月6日(第1回はこちら)
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ベンチャー企業の立ち上げを始め数多くの企業の経営に参画し、商品開発や事業開発に携わってきた亀田徹さんのビジネスアイディアライブラリー。今回は「ヘルメットIOT」です。
忘れもしない「9.11」。
我々は最悪のテロ事件を目撃しました。
とてつもなく多くの消防士がビルに救助へ向かったにもかかわらず、たくさんの犠牲者が出ることになってしまいました。
我々はそのビルが崩れていくのを何もできず見守るだけでした。
その時感じました。わが国日本でも同じことは起こる可能性はあると。
筆者はその時ヘルメットメーカーに所属していました。
ニュースではビルが崩れていくシーンを何度も見ましたが、ビルの中の状況は一切目にすることはありませんでした。
その時に思い付いたのがヘルメットのIoT(Internet of Things=モノのインターネット)でした。
もしヘルメットにカメラと通信機能が組み込まれていれば消防士はレスキューしながら、遠く離れた高層ビル上層階からもバックヤードに現状を正確に伝えられていただろうと。
さらにそのヘルメットの中に「GPS」で位置が伝えられ、「SIM」で会話ができ、「加速度センサー」で消防士が倒れた情報までが分かれば最高。
まるで現在のスマホがヘルメットに組み込まれているのと同じ。
しかしそのころはまだスマホが出始めたばかりで、安全保護具業界は非常に「アナログ」な世界。
そこで大手通信会社、電機メーカーに声をかけ共同プロジェクトを立ち上げ、「Uメット」という夢のようなヘルメットを開発しました。
完成後には多くのメディアに取り上げられ、消防庁や海上保安庁などでは実際の現場に先立ちテロに対する訓練や防災訓練でテストされました。
(この稿終わり)
34歳のとき、当時空調機メーカー開発部勤務から独立し、日本で初めての「宅配ロッカーでクリーニング受け渡し」事業でベンチャー企業を立ち上げる。
その後、日本初の様々な事業を立ち上げ、TV、新聞、雑誌などに取り上げられる。
現在は「TKコンサルティング」の代表として各企業の新規事業の立ち上げ、アイデア提供などを行っている。