書評 人生を変える!「コーチング脳」のつくり方
2021年10月23日著者:宮越 大樹
出版社 : ぱる出版
発売日 : 2021年4月30日
単行本 : 302ページ
☆☆☆ 一読の価値あり
再生回数470万回のYouTuberプロコーチ、宮越大樹氏が書いた、コーチングのコーチになりたい人、もしくはコーチ向けの書籍です。
宮越氏自身のコーチとしての出発点を自己開示するところから本書は始まり、コーチングの基本モデル「GROW」(Goal・Reality・Options・Will)などコーチングのスキルや考え方、進め方、質問の「幹」や「流れ」、「自己基盤」の充実といったテーマに触れられていきます。
本の作りとしては、けっこう行間なんかもスカスカで、話題もあっち飛びこっち飛びの印象があり、一見すると「中身濃いのかな?」と思わないでもないですが、実際には得るものの多い1冊でした。
ひとつには実例が豊富に盛り込まれていること。
クライアントに対する守秘義務の絡みでしょうか、コーチング関連書籍が取り上げる「事例」については具体性を欠いたり、図式的で生き生きしていなかったりする傾向が強いですが、本書のそれはなかなかヴィヴィッドで「うるっ」とさせられる内容だったりします。コーチングって素晴らしいなぁ・・・。と筆者なんかは素直に感動しちゃいます。
また、取り上げられているメソッドやコンセプト、コーチとしての心構えといった内容も、基本的なことではあるものの時として目からウロコ的な発見が(一応プロコーチであるところの筆者においても)あったりします。
例を挙げると、
- 「コーチングは実はシンプル。まずはその人が本当に望んでいることに関心を向ける。その実現に向けて、その人ができそうなことに関心を寄せる。究極それだけでいい」(107ページ)
- 「(クライアントの)問題にこちらから深入りしない」(159ページ)
- 「クライアントの代わりに考えることはコーチの仕事ではない」(110ページ)
- 「変えようとするな。わかろうとせよ」(138ページ)
といった、コーチングを実践する際に見失いがちなコーチとしての立ち位置や、 - 「共同体感覚;『自分はOK』『他人もみんなOK』『それぞれの形で貢献できる』感覚。コーチとクライアントの関係が共同体感覚に溢れたものになる」(243ページ)
といった、コーチとクライアントの関係性、
さらには、
- 「究極の理想像を生きることだけが自己実現ではなく、その時その時の自分の心の声を大切にしながら自分らしく生きることも自己実現」(126ページ)
のようなもはやコーチングスキルの次元を超えた人としての「あり方」みたいな事柄まで。
随所に、でも暑苦しくなくサラッと触れられています。
外見はやや胡散臭いといえなくもない(失礼!)宮越氏ですが、さすがの本作り。読ませます。
コミュニケーションスキルとしてのコーチングの豊饒な世界を垣間見ることのできる良書です。
(この稿終わり)
こんにちはHill Andonです。日本語で書くと昼行燈と申します。
サイトオーナー兼管理人兼編集長兼メインライターです。
中小企業のみなさん向けに、エグゼクティブコーチング・経営改善支援・補助金申請支援などを行なっている、フリーランスの経営コンサルタント。中小企業庁の「認定経営革新等支援機関」でもあります。
よろしくお願いします。